市町村介護計画の現状分析と介護保険サービス供給システムの設計に関する研究

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11672238
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 関田 康慶 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20107113)
• 研究分担者: 伊藤 道哉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70221083) ; 石垣 政裕 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助手 (60176170) ; 吉田 浩 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60275823) ; 稲田 紘 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20028393) ; 安保 英勇 東北大学, 学生相談所, 講師 (50250650)
• キーワード: 介護保険制度 / 理解度ギャップ / 介護支援専門員

研究概要

研究においては、(1)新制度に対する住民の理解度、(2)サービスをコーディネイトする介護支援専門員の研修のありかた(3)介護保険制度におけるニーズと需要のギャップ分析(4)市町村のモニタリングの大きく四つのテーマに区分して行った。
(1)新制度における住民の理解度分析は、メディアを用いて、放送前と放送後において同じ質問用紙を用いて回答を寄せていただき、視聴者である本人と介護者の理解度の変化をみた。その結果新制度の機能に関する項目のギャップが大きいことがわかった。
(2)介護支援専門員の研修モデルについては、市町村から委託された介護支援専門員のフォローアップ研修の場を活用してアンケート調査を行い、研究のあり方を探った。その結果ケアマネジメントに関する総論部分とアセスメントやケアプランなどの実践的部分とを区分して研修を行う必要性が明らかになった。
(3)ニーズと需要のギャップ分析では、要支援要介護認定を受けた後のヒアリングを行ったサービス利用者の認定結果の「認定ニーズ自己負担額」N、サービス利用意向の「潜在需要」Dから「潜在需要利用限度額指数」Yを導出し、そのギャップの分析検証を行った。その結果「潜在需要利用限度額指数」Yは、要介護度の高低とほぼ反比例していることがわかった。
(4)市町村が作成した介護保険事業計画のモニタリングのためには、情報の拠点となるケアマネジメントレベルにおけるモニタリングが不可欠であるところから、モニタリングの概念化、システム化について研究し、これの検証を行った。その結果妥当なモニタリングの評価項目及びシートが作成できた。

研究成果

• [文献書誌] 関田康慶: "公的介護保険制度の運用と情報システムの活用"ヘルスケア情報システム白書. 5-9 (1999)
• [文献書誌] 関田康慶: "公的介護保険におけるケアプランの評価、モニタリングの体系化と支援情報システム"第19回医療情報学会連合大会論文集. 第19巻. 462-463 (1999)
• [文献書誌] 関田康慶: "介護保険制度におけるモニタリングシステムの概念と開発の方法論"第20回医療情報学連合大会論文集. 第20巻. 786-787 (2000)
• [文献書誌] 糟谷昌志: "TVメディアを利用した介護保険制度の理解度変化及び介護保険制度利用意向に及ぼす影響に関する研究-放送前後における制度の理解度変化の分析-"第20回医療情報学連合大会論文集. 第20巻. 582-583 (2000)
• [文献書誌] 加藤由美: "TVメディアを利用した介護保険制度の理解度変化及び介護保険制度利用意向に及ぼす影響に関する研究-制度理解と利用意向への影響度分析-"第20回医療情報学連合大会論文集. 第20巻. 584-585 (2000)
• [文献書誌] グレン・マンスフィールド: "介護保険モニタリング情報流通におけるセキュリティ管理"第20回医療情報学連合大会論文集. 第20巻. 784-785 (2000)
• [文献書誌] 鷹野和美: "ケアマネジメントを情報拠点としたモニタリングシステムの設計"第20回医療情報学連合大会論文集. 第20巻. 788-789 (2000)
• [文献書誌] 田中治和: "ケアマネジメントモニタリングシートの評価項目及びシートの設計と検証"第20回医療情報学連合大会論文集. 第20巻. 790-791 (2000)
• [文献書誌] 都築光一: "モニタリング情報システムの設計と開発"第20回医療情報学連合大会論文集. 第20巻. 792-793 (2000)
• [文献書誌] 都築光一: "介護保険制度におけるモニタリングシステムの概念と方法論"キリスト教社会福祉学研究. 第33号. 68-75 (2000)
• [文献書誌] 関田康慶: "新コミュニティの形成による介護サービスの効率的提供"都市計画227. 第49巻. 15-20 (2000)