研究課題/領域番号 |
11672242
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松本 政雄 大阪大学, 医学部, 助教授 (50149944)
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研究分担者 |
金森 仁志 福井工業大学, 工学部, 教授 (70027770)
小縣 裕二 大阪大学, 医学部, 助手 (60281127)
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キーワード | CdZnTe検出器 / 乳房撮影用X線装置 / X線スペクトル / 減弱曲線 / 被写体コントラスト / 付加フィルタ / 固有ろ過 |
研究概要 |
本研究の目的は、(1)医療現場で手軽に使用できるCdZnTe検出器を用いた乳房撮影用X線装置のスペクトル測定システムを確立すること、(2)乳房撮影用X線装置の基礎データとして、各種乳房撮影条件下でのX線スペクトルを測定し、乳房撮影用X線装置の品質管理法を確立し、それを用いてX線の線質を改善し、さらに散乱X線のスペクトルも測定して、患者の被曝線量を低減することができる乳房撮影用X線装置の品質管理システムを開発し、その適用範囲を明らかにするための研究を始めた。以下に、これまでの研究実績の概要を述べる。 乳房撮影用X線装置のMoとRhターゲットのX線管から約471mmの距離にCdZnTe検出器を設置して、通常の乳ガン診断時の撮影条件である管電圧25-32kV,240mAsで、MoとRhのフィルタを付加した場合のX線スペクトルを35μmのピンホールコリメータシステムを通して測定し、開発した補正プログラムを使って補正した結果、高純度Ge検出器で測定されたBRHのスペクトルデータとその形状がだいたい一致することが確かめられた。さらに、厚さ0.1mmから0.8mmまでのアルミニウム被写体を入れて、CdZnTe検出器で測定したスペクトルから計算した減弱曲線と軟X線用線量計で測定した減弱曲線を比較した結果、だいたい一致することがわかった。また、乳房X線写真作成時の被写体コントラストについて、被写体透過後のX線スペクトルをCdZnTe検出器で測定して検討した。さらに、X線減弱に関する指数関数の法則を使って理論計算から乳房撮影用X線装置の固有ろ過及び付加フィルタ厚の被写体コントラストに及ぼす影響についても検討した。
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