研究課題/領域番号 |
11672261
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
川崎 博已 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60125151)
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研究分担者 |
黒崎 勇二 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (90161786)
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キーワード | インスリン抵抗性 / 血管周囲神経機能 / 抵抗血管 / 血管収縮性交感神経機能 / 血管拡張性CGRP神経機能 / インスリン抵抗性改善薬 / アンジオテンシンII受容体拮抗薬 / 含硫アミノ酸タウリン |
研究概要 |
SDラットを用いフルクトース含有飼料を与えて7週間飼育し、実験的インスリン抵抗性動物を作製した(FFR)。また、同時にインスリン抵抗性改善薬(トログリタゾン;TGZ)、タウリン(TU)、または新規アンジオテンシン変換酵素阻害薬(L-化合物)を7週間投与した。15週齢時に麻酔下に人工呼吸器で呼吸管理してインスリン抵抗性発現を確認し、頚動脈血圧を観血式血圧測定装置にて測定した後、本研究者の方法に従って腸間膜動脈血管床の灌流標本を作製した。標本を灌流装置を用いて生理液で定流量(5ml/min)で灌流し、その灌流圧を抵抗血管の収縮張力として血管反応測定装置にて測定記録した。その結果、FFRでは、血中トリグリセリド値および血中インスリン濃度は高値を示し、インスリン抵抗性が見られたが、。TGZ、TU、L-化合物投与群ではそのような高値はなくインスリン抵抗性の改善が見られた。腸間膜動脈灌流標本の動脈周囲神経を電気刺激による交感神経性収縮反応はFFRで促進されたが、いずれの薬物投与群もその促進を抑制した。次に、ノルアドレナリンを灌流液中に直接注入し、α受容体による収縮反応を測定記録する。次に、血管収縮させ灌流圧を一定のレベルまで上昇させた標本のCGRP神経性血管拡張反応はEERで抑制されたが、薬物投与によって改善された。さらに、インスリン灌流による血管弛緩反応はFFRで明らかに抑制されたが、TGZ、TUおよびL-化合物の長期投与によってインスリンの弛緩反応は増大した。以上の結果、インスリン抵抗性で交感神経性収縮反応性の亢進、CGRP神経性拡張反応性の低下、およびインスリンの血管弛緩反応性の低下が起こって血管緊張調節が不調となっていること、インスリン抵抗性を改善はすることによって血管緊張調節も改善されることが明らかになった。
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