研究課題/領域番号 |
11672264
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小薮 紀子 九州大学, 薬学研究院, 助手 (00315102)
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研究分担者 |
際田 弘志 徳島大学, 薬学部, 教授 (50120184)
大谷 壽一 九州大学, 薬学研究院, 助教授 (70262029)
澤田 康文 九州大学, 薬学研究院, 教授 (80114502)
菊池 寛 第一製薬株式会社, 創剤研究所, 主任研究員
原島 秀吉 北海道大学, 薬学研究科, 教授 (00183567)
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キーワード | 遺伝子治療 / 膜融合リポソーム / パーキンソン病 / 脳毛細血管内皮細胞 / 血液脳関門 / Glial-Derived Neurotrophic Factor |
研究概要 |
パーキンソン病治療を目的とした脳由来細胞への導入遺伝子として、既にドパミン神経細胞に対して保護作用を有することが報告されているGlial-Derived Neurotrophic Factor(GDNF)を選択した。これまでに、脳実質にウイルスベクターを直接投与し、GDNFを神経細胞に発現させた報告はあるが、脳毛細血管内皮細胞へ導入し脳側へGDNFを分泌させ、神経細胞保護作用を検討した報告はなされていない。そこで、今年度は、脳毛細血管内皮細胞において、GDNFを脳側へ分泌発現させることができるか否かについて、in vitro実験により検討を行った。 マウス培養脳毛細血管内皮細胞(MBEC4細胞)を透過性膜上に単層培養し、これにmouse GDNF cDNAを組み込んだ哺乳類細胞外来遺伝子発現ベクターをリポフェクション法により導入した。細胞内に発現されたGDNFおよび培養メディウム中に分泌されたGDNFはELISA及びウエスタンブロットにより検出した。トランスフェクション後3日目から4日目における分泌量をELISAで定量した結果、luminal側(血液側)培養液中、abluminal側(脳側)培養液中にそれぞれ、0.85ng/mg protein/day、5.78ng/mg protein/dayのGDNFが検出され、脳側に優位に分泌されることが示された。分泌されたGDNFの分子量は約40kDであり、糖鎖付加が行われていること、二量体を形成していることが示唆された。 以上の結果より、GDNF cDNAを導入された脳毛細血管内皮細胞は、GDNFを脳側へ分泌発現することが示唆された。
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