研究課題
基盤研究(C)
FAKを殆ど発現していないHL-60細胞にFAKをトランスフェクトしてFAK過剰発現細胞株を樹立した。またベクターのみをトランスフェクトした細胞株も樹立した。これらの細胞株を酸化ストレスとして過酸化水素、抗がん剤としてエトポシドで刺激し、アポトーシスをおこすか調べた。その結果、親細胞およびベクター細胞がアポトーシスをおこしたのに対し、FAK過剰発現細胞株はアポトーシスをおこさず抗アポトーシス機能を獲得した。その機序を調べたところ、抗アポトーシス分子であるIAPタンパクの発現上昇とNFkBの活性化がおきていることがわかった。次にFAKのタンパク合成を完全に抑制できるようなdominant negativeに働くY397F-FAKをHL-60細胞にトランスフェクトしてその機能を調べた。その結果、Y397F-FAKは抗アポトーシス機能を消失しており、さらにトランスフェクトした細胞はアポトーシスをおこしやすくなっていた。Y397F-FAKをアデノウイルス法により脳腫瘍細胞T98Gにトランスフェクトし、アポトーシスをおこさせることができるか調べた。その結果、Y397F-FAK単独でアポトーシスをおこさせることができた。さらにそのアポトーシスにはカスパーゼ6の活性化とFAKの解裂を伴っていた。腫瘍細胞T98Gにアポトーシスをおこさせ、増殖を抑制できる可能性のある薬物として免疫抑制剤として開発中のFTY720を調べた。その結果、免疫抑制剤として設定されている濃度よりは高いが、T98Gにアポトーシスをおこさせた。これに比べ、エトポシドは高濃度でもアポトーシスをおこすことができなかった。このアポトーシス耐性はFAK-PI3-kinase-Aktのサバイバルシグナルの活性化によるものであることがわかった。
すべて 2001 2000 1999 その他
すべて 雑誌論文 (8件)
Int J Immunopharmacol. 1,3
ページ: 595-604
Biochem. Biophys. Res.Commun. 281,2
ページ: 282-288
Cytokine 12,3
ページ: 207-219
J Biol Chem 275,21
ページ: 16309-16315
J Biol Chem 275(21)
J Biol Chem 274,15
ページ: 10566-10570
J Biol Chem 274(15)
Biochem.Biophys.Res.Commun. 281(2)