研究課題/領域番号 |
11672291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
奈良 信雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00142258)
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研究分担者 |
東田 修二 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80251510)
村上 直巳 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50143582)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / WT-1遺伝子 / Notch蛋白 / Jagged蛋白 / 残存白血病細胞 / IgH遺伝子再構成 |
研究概要 |
急性骨髄性白血病は、患者体内における白血病細胞の無制限の増殖と、正常造血機構の障害で特徴づけられる。近年の化学療法や造血幹細胞移植療法などの進歩で治療成績は著しく向上し、治癒する患者も増えてきている。しかし現在でもなお難治性であり、多くの患者が再発して死亡している。さらに治療効果を上げるには、患者の予後を正確に判定し、予後に応じた治療法を選択していくことが望まれる。 本研究では、白血病患者の予後を推測できる因子を明らかにするために、細胞培養系での白血病幹細胞の増殖能、WT-1遺伝子発現の有無、Notch蛋白およびそのリガンドであるJagged蛋白の発現を検討した。さらに治療によって寛解に導入された後に患者体内に残存している白血病細胞を早期に検出する方法の確立を検討した。 まず、白血病幹細胞はメチルセルロース培地と液体培養系で増殖し、液体培養系での増殖能が患者予後に有意に相関することが確認された。WT-1遺伝子は検討したほとんどの白血病症例に発現しており、必ずしも患者予後との間に有意な相関は認められなかった。細胞の自己再生能と関連するとされるNotch蛋白は検討した15例中6例において発現が認められた。白血病幹細胞の増殖能が患者予後と相関する事実が確認できた。 ついで、治療で寛解に導入された後に患者体内に残っている少数の腫瘍細胞を検出する方法を検討し、予後との関連を調べた。この目的には、Bリンパ性白血病、およびリンパ腫を対象として、末梢血液から血漿中のDNAを抽出し、nested-PCR法でIgH遺伝子再構成の有無を調べた。その結果、たとえ寛解であっても、血漿中にIgH再構成のある患者では、数ヵ月後に再発することが確認された。本法は血液から残存する腫瘍細胞を検出できる方法であり、今後さらに症例数を増やして検出法の確立に努めたい。
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