研究課題/領域番号 |
11672298
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
寮 隆吉 神戸大学, 医学部, 教授 (00159237)
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研究分担者 |
掘江 修 神戸大学, 医学部, 助手 (50304118)
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キーワード | granzymeB / CD8+リンパ球 / IL-12 / GST融合タンパクシステム / apoptosis / herpesvirus saimiri / limiting dilution / minor histocompatibility antigen |
研究概要 |
(1)Granzyme B(grB)mRNAの発現をRT-PCRで検討しNK細胞株(YT-u)とCD8+Tリンパ球に発現していることを明らかにした。Cytokineの影響を検討してNK細胞のgrB mRNAはIL12によって最も強く制御されていることを見出した。さらにYT-uはIL2とIL12の併用によってgrB mRNAが相加的に上昇した。これはYT-uには正常とは異なるcytokine感受性があることを示していると考えられる所見を得た。 (2)GrBの生理的役割を明らかにするために大腸菌発現系CST融合タンパクシステムを用いてrecombinant grBの作成を行った。正常のgrBよりやや分子量の大きなrecombinant grBが得られた。ただこのrecombinant蛋白は細胞をapoptosisさせる活性がなかった。そこでこの蛋白を使ってgrBのELISA測定法に必要なmonoclonal抗体の作成に取り組んでいる。現在activeなgrBを得るために酵母菌を用いた発現系を用いてrecombinant grBをを作成している。 (3)GrBのapoptosis作用を定量化するためにCMK細胞を使ってapoptosisの定量化を試みた。ヒストン結合断片化DNA検出によってapoptosisの定量が可能であることを明らかにした。ただこの方法は標的細胞だけのapoptosisを見るのは不適切であり、標的細胞をannexinVで標識して細胞膜透過性の変化をflow cytometryで検出する方法でapoptosisの定量化の実験を進めている。 (4)臓器特異性あるいはvirus特異性のCTL中のgrB mRNAの動きを検討するためには長期間培養できるCTL cloneの樹立が必要である。そこでHerpesvirus saimiriを使って正常人のT細胞のclone化を試みた。約半年viableなCTL cloneを樹立しlimiting dilution法でCD8+CTL cloneを樹立した。またこのCTL cloneはgrBとperforin mRNAを発現していることを確認した。この方法を使って骨髄移植後GVHDを発病した患者から臓器特異性のCTLcloneを樹立し、minor histocompatibility antigenを同定中である。
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