研究概要 |
造血幹細胞であるCD34陽性分画に樹状細胞(Dendritic Cell:DC)のProgenitor DC(Pro DC)が存在し,GM-CSF,TNFαが作用して,precursor DCになり,さらに成熟DCに分化し,Pro DCにはランゲルハンス細胞と組織間質のDC(interstitial DC:iDC)の二つのタイプに分かれ,いづれも骨髄系の細胞であることが明らかとなった。 そこで分娩後大部分は廃棄処分されていた臍帯血の細胞がどのような表面抗原を持っているのか検討した。66例の臍帯血細胞をFicoll conrayで処理しFlow Cytometryで測定すると,CD4 48.1%,CD8 19.6%,CD19 7.5%,CD34 2.9%,CD38 73.5%,CD83 1.5%であった。さらにDCを検出するための抗体を使うとCD1a 0.3%,CD11c 12.2%であった。 γhIL-3を加えて培養した臍帯血細胞ではCD83,CD1aの二重染色で陽性率は平均3.9%、CD83,CD123では0.8%であった。 臍帯血細胞にはCD34^+,CD1a^+,CD11c^+,CD83^+という細胞があり,抗原提示には重大な影響を与えているということになる。 種々のサイトカインを使ってDCを増やすことを試みたが,現在のところ,まだ成功していない。頻度としては少ないが,DCの腫瘍局所への遊走能や腫瘍とDC,T細胞との相互関係などin vitroにおいてどのように行われたいるのか,今後の研究で明らかにしていきたい。
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