○樹状細胞は抗原提示細胞として免疫反応を起こす細胞である。臍滞血の中に種々の樹状細胞が存在している事が判明した。 ○臍帯血をGM-CSF、SCF、IL-3を添加後培養し、どのような変化が起こるか抗原を測定した。新鮮臍帯血のCD83^+細胞は1.9±1.1x10^5/ml、CD1a^+細胞は0.3±0.2x10^5/ml、CD11c^+細胞は5.9±25x10^5/ml、CDw123^+細胞は2.7±2.2x10^5/mlであった。一方、3週間培養後のCD83^+細胞は9.2±5.8x10^5/ml、CD1a^+細胞は9.8±9.3x10^5/ml、CD11c^+細胞は23.2±11.5x10^5/ml、CDw123^+細胞は19.6±10.1x10^5/mlであった。 ○すなわち臍帯血に含まれる樹状細胞は、GM-CSF、SCF、IL-3を添加して4週間にわたって培養すると、CD1a、CD11c、CD83、CDw123ともに増加が見られ、3.1〜53.4%の範囲の増加、実数としては6.9〜28.2x10^5/mlの増加が確認できた。 ○これらの結果から、臍帯血にはDendritic cellのprogenitorが含まれており、3〜4週間後に最高となり、この頃の樹状細胞が骨髄系、単球系、リンパ球系のどの細胞由来であるのか、そうしてどの系の細胞が腫瘍の免疫療法により有効なのかは今後の問題である。
|