研究課題/領域番号 |
11672307
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
五味 邦英 昭和大学, 医学部, 教授 (60053980)
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研究分担者 |
福地 邦彦 昭和大学, 医学部, 助教授 (70181287)
陳 戈林 昭和大学, 医学部, 助手 (60266111)
高木 康 昭和大学, 医学部, 助教授 (30138490)
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キーワード | ESBLs / 大腸菌 / TEM / クレブシエラ / セラチア |
研究概要 |
最終年度の平成13年度には、11-12年度の総括および継続的なESBLs産生菌の監視と解析を行った。平成11、12年度には、高度耐性セラチアの耐性遺伝子のクローニングとその解析を行い、高度耐性化にはメタロβラクタマーゼが主に関わっており、いわゆるESBLの責任遺伝子である変異TEM遺伝子は関与していないことを示した。平成12年度後半から平成13年度に、平成12年4月〜同年8月の5ヶ月間に昭和大学病院細菌検査室に提出された719名(2962検体)の腸内細菌検体からNCCLSの基準でESBLs産生菌を示すものを選択して解析を行ったところ、初めて第3世代セフェム耐性の大腸菌が4株、K.oxytocaとK.pneumoniaeがそれぞれ1株検出された。このうちE.coli2株とK.oxytocaとK.pneumoniaeはクラブラン酸抑制試験により抑制がかかったため、典型的なESBLs産生菌と判断された。さらに、これらの菌株ゲノムDNAから、PCRによりTEM遺伝子を検出し、このTEM遺伝子をpGEM1プラスミドベクターにクローニングした。塩基配列をTEM-1型と比較したところ、既知のESBLs産生菌と同様の変異は検出されなかったが、一株のE.coliゲノムから新たな点変異が検出された。これは基質結合領域に相当するnt 431-571中に存在するnt 452のGがAに置換し、パリンからイソロイシンへのアミノ酸変異を伴うものであった。これらのTEM遺伝子における塩基配列置換がESBLs変異となるかの解析が必要となっている。
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