研究課題/領域番号 |
11672310
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
伊藤 正俊 東邦大学, 医学部, 教授 (10057698)
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研究分担者 |
岡田 弥生 東邦大学, 医学部, 助手 (60256758)
石川 文雄 東邦大学, 医学部, 講師 (10130345)
竹内 吉男 東邦大学, 医学部, 講師 (40130372)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 薬剤アレルギー / 薬剤抗体 / 薬剤芽球化試験 / インターロイキン-2 / RT-PCR法 / RAD法 / 親和性定数 / cELISA法 |
研究概要 |
薬剤アレルギーについて、薬剤抗原エピトープの解析並びに薬剤芽球化試験への高感度な検出法について検討した。初めに、セファクロール薬剤アレルギーでは、架橋部位の異なる3種類のセファクロール/OVA蛋白を用いELISA法にて抗体検出を行ったところ、IgG抗体では側鎖に反応性が認められた。これに対しIgM抗体は、セファクロールの基本骨格7-aminocephalosporanic acid(7-AMA)に反応した。セファクロール側鎖に対する競合阻害では、ペニシリン系薬剤のアンピシリンとバカンピシリン、セフェム系では、セファクロールの他にセファレキシンと、α-phenylglycine側鎖を有する薬剤に競合阻害がみられた。そこでセファクロールの側鎖や基本骨格の影響を調べたところ、α-phenylglycine側鎖に濃度依存性の競合阻害が観察されたが、側鎖アナログのp-amino phenyl acetic acidや基本骨格の7-AMAには影響が認められなかった。競合阻害について50%阻害濃度を算出したところ、アンピシリン、セファレキシン、α-phenylglycineに起因薬剤のセファクロールと同程度の値が認められた。これに対し、7-AMAに対する競合阻害では、7-AMAとセファレキシンに競合阻害が観察された。これらの結果から、抗体サブクラス間に特P異性並びに親和性の違いが認められた。さらに、セファクロール抗体の親和性を解析したところ、Ka=2.19x10-3M-1,Kd=2.56x10-4M-1で他の免疫抗体とほぼ等しい値を得た。 一方、薬剤芽球化試験では、薬剤アレルギー疑診患者25症例中3例(12%)が陽性で、疑陽性が3例(12%)であった。陽性と疑陽性を含めると24%の反応性が観察された。これに対し、IL-2産生能をみると、25症例中7例(28%)が陽性で、疑陽性が4例(16%)、合計11例(44%)で、芽球化試験に比較し約2倍の検出率であった。さらに、芽球化試験が陰性でIL-2産生で陽性だったものが疑陽性を含めると4例(12%)みられた。IL-2のmRNAは薬剤刺激後4〜8時間で検出され、L-2産生がみられた全ての症例に於いてmRNAが検出された。 以上の結果から、薬剤芽球化試験のおけるIL-2産生能の測定は、従来法に比較し高感度な測定法であることが明らかにされた。またIL-2mRNAの検出は、早期段階での薬剤に対するアレルギーを診断する上で有効な検査法であることが示唆された。
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