研究課題/領域番号 |
11672320
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮崎 美砂子 千葉大学, 看護学部, 教授 (80239392)
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研究分担者 |
武藤 紀子 千葉大学, 看護学部, 助手 (60334182)
牛尾 裕子 千葉大学, 看護学部, 講師 (00275322)
平山 朝子 岐阜県立看護大学, 学長 (20110356)
浦 奈穂美 千葉大学, 看護学部, 助手 (10334179)
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キーワード | 地域看護 / 地域単位 / 在宅ケア / ケアの質 / 看護判断 / 連携・協働 / 保健婦 |
研究概要 |
[本年度の成果]研究の最終年にあたる本年度は、以下の調査1〜調査4をまとめた。 1.調査1:地域内における経年的な活動の積み重ねにみられる看護判断 過去30年間にC県内のひとつの保健所管轄地域で行われた49在宅ケア活動事例を調査対象とし、経年的に関連のある活動群(A群:成人病予防・寝たきり老人への援助活動、B群:健康づくり活動、C群:母子保健体制づくり、D群:痴呆性老人への支援体制づくり)を選定し分析対象とした。関連資料収集・保健婦への面接聴取を用い、保健婦の判断(ニーズ把握・活動方法選択・活動評価)並びに活動の成果を調べ、保健婦の判断の特徴を活動群別に検討した。その結果、経年的な活動により地域内のケアは柔軟性・連続性・日常性・専門性・総合性・協働性・責任性が増すことによってその質の保証がなされていた。看護判断は、個別の療養者ごとに判断した地域資源・支援体制の問題把握が基点となり、地域支援者と連携・協働すべき課題を形成していた。また活動評価は保健婦が自己の役割を明確にしていく判断の過程であり重要であると示唆された。 2.調査2:広域的地域におけるケアの質と看護判断 保健所管轄の広域地域を対象に、障害児療育支援体制づくりを目的に進行中の活動過程に伴う看護判断を活動への参加観察・保健所保健婦への面接聴取により調べた。その結果、療育に対する個別的専門的ケアの質と共に、育児・教育に対する日常的ケアの質を合わせて充たす必要性が判断されており、障害児への個別援助並びに支援関係者との連携・協働の過程から判断を蓄積していた。 3.調査3:徒歩圏域におけるケアの質と看護判断 徒歩圏域のような身近な地域を対象とした在宅ケアの質にかかわる看護判断について検討した。C市17地区のB型機能訓練事業を対象に地区診断・計画作成・事業実施・評価の各過程に対する保健婦の判断並びに事業成果について、保健婦への面接聴取により調べた。その結果、開催場所への接近性、日常生活との連続性、安心感・居心地、住民同士の対等な関係性等がケアの質に関与していることが示唆された。 4.調査4:文献検討により、連携・協働の方法を用いて在宅ケアの質向上にかかわる地域ケア機関所属の看護職の看護判断について検討した。
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