研究課題/領域番号 |
11672330
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
野島 良子 広島大学, 医学部, 教授 (30100655)
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研究分担者 |
真壁 五月 広島大学, 医学部, 助手 (90274050)
冨川 孝子 広島大学, 医学部, 教授 (30155551)
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キーワード | 看護診断 / 診断能力 / 新人ナース / 発話思考法 / 問題解決 |
研究概要 |
研究目的:新人ナースの看護診断能力の形成過程と、それに関与する要因を明らかにする。 研究方法と結果: 1)本研究の理論枠組みを構成するために、(1)ナースのJudgment skillsの発達に関する研究文献と、(2)Think Aloud(発話思考法)を用いた研究に関する文献を、合計38編収集・分析し、新人ナースの看護診断能力の形成に関与すると思われる因子として、経験、教育、実践領域、訓練を抽出した。さらに、エキスパートナースの診断能力と比較する局面として、問題解決(推論)のための情報活用法、情報必要量、ならびに手がかり注目点を抽出した。2)上記の分析結果に基づき、本研究の理論枠組みとして、「新人ナースの看護診断過程」を「実務経験」→「問題に対する構え(set)が生じていない」→「問題解決に対して促進的に働く構え(set)がない」→「問題場面全体の再構造化ができない:mental mapがない」→「推論形成なし」→「ランダムな手がかり収集」→「複数の手がかり間の関係を結ぶ概念結節が形成できない」過程としてモデル化した。 3)上記のようにモデル化した新人ナースの看護診断能力をThink Aloud(発話思考法)によって検証するための予備実験として、平成11年12月-平成12年1月の間に、総合病院で看護の実務についている経験年数3年未満の新人ナース3名を選んでThink Aloud(発話思考法)を実施し、以下の諸点を確認した。(1)尺度事例の妥当性、(2)音声認識ワードプロセッサVia Voic ProミレニアムJ-Editionの操作手順。 4)尺度事例をあらかじめ音声認識ワードプロセッサに認識させておいてThink Aloud(発話思考法)を実施すると、約80-90%の精度で被験者の発話思考内容が認識できることを確認した。
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