平成11年の佐賀県在住の65歳以上の高齢者人口の約0.3%にあたる554名を対象に、平成12年7月〜平成13年2月、半構成的質問紙を用いた面接による聞き取り調査を実施した。全在宅福祉サービスの利用が可能である要介護5に認定される75歳の男性の事例を提示説明し、自分がこの事例の様な状況であったらどのような在宅福祉サービスを受けたいかと質問し、複数回答を得た。介護保険で利用可能な在宅福祉サービスを含む16のサービスが回答された。一番多かったのは入浴サービスで26.7%、次は訪問介護で18.8%、排泄の介助8.3%、配食サービス7.8%という順であった。住宅改修費の支給やデイケア、訪問看護等は数名しか回答しなかった。また37.0%は病院や施設に入ると答え、24.4%はその時にならないと分からない、8.5%はサービスを受けたくない・死んだ方がまし、5.1%は家族のみによる介護と答えた。在宅福祉サービスを活用して生活したい人より病院・施設を望むと言う人の方が多く、家族に迷惑をかけたくないという意識があると推察できる。生活在宅福祉サービスを受けるための手続き方法を問うと、一番多かったのは知らない・分からないで37.5%、次は役場・市役所で31.2%、ヘルパーに言う17.1%、病院に言う9.2%、民生委員等の地域の相談役に言う7.6%であった。介護保険についての認知度は言葉は知っているが内容は知らないが53.8%、内容を少し知っている37.4%、内容を良く知っている7.2%、言葉も知らない1.6%であった。介護保険に関する情報入手方法を多い方からあげると、テレビ61.9%、広報38.1%、新聞36.6%、病院・施設21.7%であった。介護保険が始まって約1年が経とうとしているが、約半数の高齢者は介護保険の内容をあまり知らず、在宅福祉サービスの種類も把握できていない。情報入手方法で多いテレビや新聞・広報等で、在宅福祉サービスの種類や手続き等を含め詳しい内容を具体的に宣伝する必要性が示唆された。
|