【目的 】100才長寿者の健康度を身体的、社会的、精神的側面から調査しセンテネリアンの生活像を明らかにすることにある.長寿の性差も男女差による社会的役割の影響によるかについても考察する. 【対象、方法】平成11年9月30日現在において佐賀県在住の100才長寿者101名を対象に面接調査を実施した.承諾の得られた64名を面接調査した.調査票は1.Barthel Index2.老研式活動能力指標3.長谷川式老人用簡易知能スケール(HDS-R)4.ブレスローの生活健康習慣5.ライフイベント調査(悲しみの体験、苦労したこと、嬉しかったこと、生き甲斐、希望)の測定具により面接調査をおこなった.センテネリアンの昨年度からの生存者は69人で死亡率は42%であった.男性の死亡率は47%で女性の死亡率24.5%を遥かに上回った.昨年の最高年齢者106才(女性)は死亡し新たな106才(1人)の女性が最高齢者であった.全国的には106才は143人でその中14名は男性である.日本の最高齢者は113才女性である.同意の得られた39名に聞き取りをした.生活環境:在宅18%、施設・病院82%、聴力は12.8%が殆ど不自由なく会話が聞け、70%は大声を出さないと会話が出来なかった.視力で不自由なくみえ新聞が読める人は昨年と変わらぬ3%であった.ADLとIADL及び生活満足度は相関関係にあった.即ち、ADLが高ければIADLが高く、生活満足度も高かった.PGCモラールスケールによる主観的幸福感については平均数値は7.6であった.生き甲斐については63%が特になし、と答え生き甲斐があると応えた35%は息子・娘が来ることデイケアで友達と話すこと、人と一緒にいること、書くこと、食べることなどであった.【結語】センテネリアンの生活像はADL能力が全面的に著しく低く、全ての面において支援を必要とし社会性も低く生き甲斐もあまりない.視聴覚能力が弱化しているのでテレビや音楽等の視る、聴くという楽しみも出来ない。
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