研究概要 |
わが国における在宅ホスピスケアシステムを構想する上で,ホスピス・緩和ケア病棟の地域における役割について把握したいと考えた。方法としては,平成11年度の調査対象(全国のホスピスや緩和ケア病棟の医師や看護婦・士)への質問紙調査の結果から,当該地域における施設の役割について記述している施設を4所抽出し、責任医師を対象に半構成的面接調査を実施した。 調査対象施設は、熊本県の「みこころホスピス」と「西合志病院緩和ケア病棟」、京都市の「日本バプテスト病院ホスピス病棟」と「「薬師山病院ホスピス」である。 主な調査内容は、(1)施設の概要と調査対象者の背景(2)地域の在宅がん患者と家族への支援(3)関係機関や関係職種との連携(4)ターミナルケアについて自由意見(5)施設の経済効率などでおる。 調査は2001年2月に実施したため、結果は現在、整理・分析の途上である。調査の全体印象としては、3所の施設は在宅ホスピスケアを患者が望めば、実現に向けて前向きに取り組んでいた。経済面においては、厳しい状況の施設も見られ、当該施設の医師のボランテイア的な仕事によって支えられているという状況であった。 今後,集計結果を詳細に分析・検討する予定である。本調査の結果は,平成13年秋に開催される第60回日本公衆衛生学会に発表する予定である。
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