21世紀を目前に、20世紀後半50年間の保健医療制度の変遷における看護分野の課題について、国の看護施策と看護の変化を明らかにするためにマスメデイアである新聞と看護関係誌の内容を分析することによって、その変化を看護政策論の立場から説明できる資料(結果)をうることを目的とした。 全国紙について1945(昭和20)年から1995(平成5)年までの50年間の記事をKeyword「看護」で年次別に検索・整理し、記事の現れてくる順に小分類、中分類、大分類し最終的に15項目とした。看護に関する新聞記事数は50年間で1437あり、その推移は1945年にはわずか4件であったが50年間の年平均で28、最近10年間では年平均49.6で戦後50年間の総記事数の35%を占めており、看護職の活動が新聞を介して表出されてきたことを意味するとみた。記事数からみた10位までの順位は、1.看護婦が関わる事件、2.看護争議、3.マスメデイア、4.看護行政、5.その他(記事数の少ないもののまとめ)、6.看護婦(士)事情、7.老人介護、8.裁判、9.地域看護体制、10.老人看護であった。新聞記事から、最近は市民の目が看護を見つめ実績が住民に評価される時代が到来し、今後も続くと判断した。第1年度の結果をもとに次年度は分類記事と看護政策との関係を明らかにする予定である。
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