研究課題/領域番号 |
11672351
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研究機関 | 兵庫県立看護大学 |
研究代表者 |
川口 孝泰 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助教授 (40214613)
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研究分担者 |
飯田 健夫 立命館大学, 理工学部, 教授 (80268151)
鮫島 輝美 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (60326303)
鵜山 治 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (00185076)
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キーワード | 高齢者 / 起立性低血圧 / 援助方法 |
研究概要 |
本年度は、とくに疾病を持つ高齢者(高齢糖尿病者)を対象に、起立時における循環生理反応から、今後の介護・援助方法および介護機器の設計・製品開発に必要な要素について検討した。その上で、昨年度と本年度のまとめとして報告書を作成した。 前年度は、起立時の循環調節に高次中枢神経系が重要な役割を果たしていることを循環生理学的に位置づけ、この仮説を検証するためにウェーブレット変換を用いた血圧・心拍ゆらぎ解析法により分析し、起立時の「見込み制御」の効果を実証した。 そこで今年度は、とくに自律神経機能が低下している高齢者や糖尿病者に焦点をあてて、起立時の起立性低血圧との関連について実験的に検討した。その結果、とくに高齢糖尿病者は、起立時に起立性低血圧を起こしやすいことが実証された。これらの援助的予防策として、起立者が援助者に全面的に委譲するのではなく、自主的起立動作へと向かえるような工夫、たとえば「声かけ」による移動の方向性の指示と十分な意識づけ、などが、きわめて重要であることが自律神経反応と脳血流の変化から明らかとなった。また、起立支援のための介護機器の設計などにおいては、使用する人間主体の操作設計、使用者の個別性に応える援助システムの確立などが、今後求められることが示唆された。
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