研究概要 |
本研究の目的は在宅脳卒中後遺症患者と介護者における援助プログラムの効果判定の指標としてOQL(quality of Life)測定スケールの開発およびQOL関連要因を解析し、在宅脳卒中患者とその介護者双方のQOL向上にむけての援助プログラムを開発することである。 今年度はQOL測定スケール作成のため、予備調査として行った脳卒中後遺症患者とその介護者ならではの悩みや思い、両者の環境条件としての福祉問題、生活問題、生活障害等の聞き取り調査の結果をもとに質問紙を作成した。また、それらの質問紙を使用して、大阪府Y市、広島県H市において脳卒中後遺症患者と介護者80組に面接法による調査を実施した。調査内容は、両者の基本属性の他、身体的・心理的状況、ソーシャルサポートの状況、脳卒中後遺症患者と介護者の人間関係、性格特性、生活関係、介護者の介護負担、福祉制度の利用状況などである。なお、文献レビューにより、身体的状況についてはBarthel指数(改訂版)、心理的状況については、Cornell Scale,VAMS(Moodスケール)、Geriatric Depression Scale(GDS),性格特性はPearlin+Schooler"Mastery Scale"、また、介護負担については、Zaritのスケール、さらに健康生活全体の指標としてSF-12を用いて調査を実施した。なお、Barthel指数(改訂版)、Cornell Scale,VAMS、Mastery Scaleについては筆者らが許可を得て邦訳したものである。今後も、上記の研究目的、方法に基づき、大阪府下、広島県下において在宅脳卒中後遺症患者と介護者の面接調査を続行し、QOL測定スケールの作成と援助プログラムの検討を行っていく予定である。
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