研究課題/領域番号 |
11672358
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
守本 とも子 広島国際大学, 保健医療学部, 助教授 (50301651)
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研究分担者 |
浅野 仁 関西学院大学, 社会学部, 教授 (70072999)
SCHREINER AS 広島国際大学, 保健医療学部, 教授 (30309645)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 脳卒中後遺症患者 / 介護者 / QOL / QOL測定スケール / 援助プログラム |
研究概要 |
本研究の目的は脳卒中後遺症患者と介護者のQOL関連要因を明らかにし、双方のQOL測定スケールを作成することである。また、そのスケールを効果判定の指標とし、より効果的な援助プログラムを構築することである。 本研究では、QOL測定スケールを作成するにあたって、脳卒中後遺症患者と介護者のQOL関連要因を明らかにした。本調査結果により、介護者のQOLを阻害する要因として、介護負担感が考えられた。介護者は身体的介護よりも、患者の否定的気分や感情面での依存に関して負担を感じると報告していた。脳卒中患者の介護者は、介護者でない一般の人に比べて抑鬱的徴候が高かった。しかし、自分の生活をコントロールする意識が強く、問題解決にむけての自信をもっている介護者は負担感も抑轡徴候も少ないことが示唆された。一方、脳卒中患者のQOLを阻害する要因として、脳卒中の後遺症による症状が考えられた。初期における患者の訴えは、睡眠障害、体力の減退、食欲の減退であった。しかし、これらの訴えは脳卒中後の最初の2年間に最もよく表出され、それ以降は、無用感、倦怠感、無力感、社会からの疎外感といった感情を訴えていた。また、脳卒中患者の70%近くが、不安、いらいら、悲しさといった感情を訴えていた。さらに、過半数以上の脳卒中患者が痛みやしびれを訴え、痛みや痺れが強い患者ほど抑鬱徴候が強いことも判明した。 以上のことから、脳卒中患者と介護者のQOL向上にむけては1.介護者の負担感と抑欝徴候を軽減させるための効果的な心理教育的な介入、2.患者の痛みや抑鬱症状に対する診断と治療、といったことが援助プログラムの一貫として検討する必要があると考えられた。 本研究は標本数に限りがあり、今後も調査を継続していく必要がある。また、本研究で明らかにされたQOL関連要因をもとにQOL測定スケールを作成することが課題として残されている。
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