研究課題/領域番号 |
11672363
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岩崎 弥生 千葉大学, 看護学部, 教授 (60232667)
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研究分担者 |
清水 邦子 千葉大学, 看護学部, 助手 (40302575)
石川 かおり 千葉大学, 看護学部, 助手 (50282463)
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キーワード | 精神障害 / 家族 / ケア提供 / 困難 / 対処 |
研究概要 |
精神障害者の家族ケア提供者の困難と対処に影響する要因を探索するため、質問紙(無記名自記式)調査を実施した。質問紙を配布した家族442名のうち、248家族から回答を得た(回収率56.1%)。回答者の平均年齢は63.6(±9.5)歳であった。回答者のうち、男性の占める割合は25.2%、女性74.8%、親の占める割合は89.7%、同胞4.1%、配偶者3.3%、子供1.2%、その他1.7%であった。患者との同居率は88.2%、家族会所属率79.4%、年金を収入源とする家族が51.2%であった。障害者の平均年齢は37.9(±11.9)歳、平均罹病期間16.3(±9.9)年、平均入院回数3.9(±9.9)回、平均総入院期間3.5年(±6.5年)であった。障害者のうち男性の占める割合は56.1%であった。 質問紙は、障害者の状態14項目、ケア提供上の困難20項目、ケア提供上の対処32項目、ソーシャルサポート7項目から構成され、各項目には「大いに当てはまる」から「全然当てはまらない」までの4段階の選択肢に加えて「該当しない」が含まれている。α係数は、状態尺度0.89、困難尺度0.89、対処尺度0.88、サポート尺度0.86であった。因子分析(主因子法)により困難尺度4因子、対処尺度9因子が抽出された。 家族の困難と関連する要因を探るため、困難と人口統計学的因子、障害者の状態、ソーシャルサポート、対処との相関係数を算出し、一元分散分析を行った。また困難を従属変数として、重回帰分析(ステップワイズ法)を行った。障害者の状態は家族の困難を最もよく説明し、サポートは困難を緩衝することが示された。 年齢階級により困難と対処の平均値を比較したところ、どの年齢階級においても困難の平均値には差がなかったが、50歳以下の家族では障害者を承認する対処や障害者の社会性を援助する対処などが有意に高く、71歳以上の家族では利他的な対処が有意に高かった。
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