研究概要 |
平成11年度の計画は文献検討とデータ収集であった。計画どおり文献検討を行い、これに基づきデータ収集を併せて行った。現在、得られたデータの分析を行っている。部分的なデータ分析結果をまとめ平成12年度に2つの学会に発表する予定である。これら予定している学会での主な発表内容を以下に記述し、今年度の研究業績の概要とする。 一つは、25th Annual Congress Oncology Nursing Society(Oncology Nursing Society at Texas,USA)である。発表表題は、Social Support,Psychological,and Physical States among Japanese Women with Breast Cancer: Pre- and Post-Breast Surgeryである。研究目的は、1)日本人乳がん体験者の手術前と手術後2週でのソーシャル・サポートの実態と精神的・身体的な状況との関連を知ること、2)これらの変数に手術前と手術後2週での変容を検討することである。75名の対象者から得たデータを分析し、その主な結果は、ソーシャル・サポートの下位尺度であるコンフリクトと精神的状況、また、身体的状況とが有意相関を示した。また、ソーシャル・ネットワークと身体的状況がこの2つの時期で有意な相違を示した。 もう一つの学会は、11th International Conference on Cancer Nursing (International Society of Nurses in Cancer Care at Oslo,Norway)である。発表表題は、Social Support,Phychological,and Physical States among Japanese Women with Breast Cancer: A Prospective Studyである。研究目的は、1)日本人乳がん体験者の手術前後1ヶ月におけるソーシャル・サポートと精神的・身体的状況との関連を知ること、2)主な変数に有意な変容があるか検討することである。67名の対象者から得たデータを分析し、その主な結果は、コンフリクトと精神的状況、また、コンフリクトと身体的状況が有意相関を示した。また、精神的状況と身体的状況とが有意な相関を示した。しかし、時期による主な変数の有意差はみられなかった。 来年度は、これらの結果を含め、研究計画に即してさらなる研究を遂行する予定である。
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