本研究では、更年期外来においてホルモン補充療法(HRT)を経験する女性に対する系統的な看護面接プログラムを開発することを目的に、(1)更年期外来受診者調査および実践活動を通した現状の分析と看護介入可能性の検討、(2)更年期女性への健康支援についての文献検討、(3)更年期女性への健康支援の枠組み試案の作成を行った。(1)では、大学病院更年期外来受診者の状況を調査した結果、受診者にHRT使用に前向きという特殊性があることが明らかとなり、また人間ドック受診者とHRT開始1年以内の対象者に生活状況調査および心理テストの実施と看護面接を実施した結果、双方において振り返りを助けるものが必要であることが明らかとなった。(2)では、HRT開始・継続の意思決定には適切で十分な情報提供と意思決定の支援が必要であることと、更年期外来のみでなく総合的な支援を考えていく必要があることが明らかとなった。(3)では、女性の振り返りを助ける「女性の心とからだのための健康手帖」の作成を行い、更年期外来受診者や健康セミナー参加者の評価を経て最終的な修正を行った。これらの成果に基づいて手帖使用を中心とした更年期外来での看護面接のプロトコールを試案した。本看護面接のプロトコールは単にホルモン補充療法を行っている女性に限らず、更年期周辺の女性に対する看護介入として有効であると考えられるが、その検証は今後の課題である。
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