研究分担者 |
村瀬 千春 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (10239519)
伊藤 英明 産業医科大学, 医学部, 教授 (90038852)
黒田 裕介 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (30131915)
橋本 惠美子 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (30249627)
佐藤 清二 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (00225955)
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研究概要 |
本研究は,胃切除術を受けた患者の食生活状況や身体活動状況が骨密度に及ぼす影響を明らかにし,生活指導プログラム作成の基礎的資料にすることを目的とする。資料収集は,超音波法による骨密度測定(SOS),骨代謝パラメーター(BAP, ALP, DPD, NTx,補正Ca)の測定,身体活動として歩数測定,食生活状況は食事表記録や質問紙による方法で行った。 平成13年度は,対象者34名(男性,平均年齢63.4歳,部分切除術17名,全摘術17名)に対し,追跡調査を実施した。本報告書では,1年間追跡調査が実施できた12名について述べる。その結果,術前に比較し変化が見られたのは,ALP_3,BAP,DPDの3項目であった。骨形成マーカーであるALP_3・BAPはいずれも術後3週目の時点では有意に減少していたが,術後3か月後より増加傾向を示し,術後1年目では術前に比べ有意に増加していた。 一方,骨吸収マーカーであるDPDは,術後3週・3か月・6か月のいずれの時期においても有意に増加したまま推移していたが,NTxには有意な変化はなかった。また,骨密度は,術後のいずれの時期においても術前に比べ有意な変化は見られなかった。 これらの6項目について,術式・術後の離床時期による差,および離床からの身体活動量による影響を検討したが,有意差はなかった。 術後,食事開始後の食生活が骨密度に及ぼす影響については,今後さらに追跡調査を行い,検討していくことが必要である。 平成14年度は,本年度同様に追跡調査を行う予定である。
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