研究分担者 |
村瀬 千春 産業医科大学, 産業保健学部, 助教授 (10239519)
伊藤 英明 産業医科大学, 医学部, 教授 (90038852)
黒田 裕介 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (30131915)
佐藤 清治 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (00225955)
鶴留 洋輔 産業医科大学, 医学部, 助手 (30352305)
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研究概要 |
本研究は胃切除術後の骨代謝障害の状態と食生活状況や身体活動状況の骨密度への影響を調べ、生活指導プログラム作成のための基礎的資料にすることを目的に行った。 胃がんと診断されA医科大学とB医科大学で胃切除術を受けた年齢80歳までの男性患者39名を対象とした。対象者には倫理的配慮を行い,了解を得た。骨代謝障害の状態は、超音波による骨密度測定(SOS),骨代謝パラメータ(BAP, ALP_3,DPD, NTx,補正Ca)の測定、身体活動は歩数測定,食生活状況は質問紙調査による方法で行った。 A医科大学では骨形成マーカーであるALP_3,BAPが術後3週目に有意に減少し,術後3ヶ月目より増加した。骨吸収マーカーであるDPDは有意に増加した。B医科大学ではAm_3,BAPが術後3週目で有意に減少したが,術後3ヶ月目から術前より増加した。しかしDPDは,術後3週目で有意に増加し,3ヶ月目以降は有意に減少した。NTxは,いずれの時期においても増加頃向が示され,1年目では術前より有意に増加した。また,両大学で身体活動と食生活による影響を検討したが,有意な結果は得られなかった。 このように骨代謝障害は術後3週目に出現していたが,骨吸収後の形成過程は個人差に影響を受けることが示唆された。
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