研究概要 |
本研究の目的は、妊娠後期および産褥早期の女性を対象に出産後2年間の心理・社会的状況と育児に対する意識等を縦断的に追跡し、それらに関連する要因の分析、家族支援モデルを構築するものである。 本年度の実施は以下の通りである。 1.昨年度1490名に質問紙を配付し、1150名より回答が得られた。そのうちデータのそろっている1011名(妊婦370名、褥婦641名)について分析を行い、その成果を日本女性心身医学会に報告した。また、本結果について論文掲載予定である。 2.回収の得られた1150名のうち、継続調査に同意の得られた460名について、産後1ヶ月および7,8ヶ月時に継続調査を行った。産後1ヶ月時については分析を行い、日本女性心身医学会に報告した。本結果についても現在論文掲載予定である。 3.現在7,8ヶ月時の調査結果についてデータ入力中である。 4.結果の概要は、妊婦は心理的・情緒的心配の側面が強く、褥婦は心身疲労が強かった。両群とも夫のサポートやボディイメージへの関心は強かった。また、計画していなかった妊娠群に心配が強い傾向が示唆された。 5.質問紙の心配の内容および自由記載のうち、何らかのコンタクトをとる必要があると判断した対象については、電話や手紙によってその状況を把握しながら相談に対応している。 6.12年8月には対象者のために大学においてグループ面談を2回行った。1回5,6人が参加した。 7.対象者の要望により電話相談日時を設け、さらにグループ面談を行う予定である。現在も電話相談や必要時直接個人面談も行っている。
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