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1999 年度 実績報告書

出産および育児に関するソーシャルサポート・ネットワークの研究

研究課題

研究課題/領域番号 11672384
研究機関長野県看護大学

研究代表者

野口 眞弓  長野県看護大学, 看護学部, 助教授 (40241202)

研究分担者 多賀谷 昭  長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70117951)
キーワード出産 / 育児 / ソーシャルサポート
研究概要

本年度は、(1)大鹿村での生業活動および人口学的・地理学的調査、(2)大鹿村でのソーシャルサポート全般に関する調査を行った。
(1)大鹿村での生業活動および人口学的・地理学的調査
現地踏査では、生業活動、標高、地形、植生などを調査した。大鹿村は、地滑りが続く農耕地の少ない山村であり、外国から安い材木が輸入されるようになると林業が寂れ、昭和36年の災害以来土木作業が村の主要な生業活動となっていた。上蔵地区の農耕地は傾斜地でまた水が得にくいため水田に適した場所は少なく、多くは畑地である。浅い土壌の下には大小の石があるが、斜度が大きく土壌の流出のために、取り除くことができない。その多くには、切り株や放置された木など、かつて桑畑として利用された痕跡がみられる。現在耕作されている畑では主に自家消費用の作物を作っており、わずかではあるがブルーベリーなどを市場に提供していた。
(2)大鹿村でのソーシャルサポート全般に関する調査
大鹿村でのソーシャルサポート全般の歴史的変遷を明らかにするために、主に上蔵地区において、村人および村で働く人に聞き取り調査を行った。村で生まれ育ち5児を産み育てた老女、村に嫁入りし出産育児を経験した老女、村に転入し自宅出産を経験した女性、村の助役夫妻、長年村で働く保健婦などを情報提供者とした。上蔵地区は飼料や肥料にするための草刈り場や水田の取水場を部落から数kmはなれた場所に有し、それらと部落を結ぶ道路や水路の建設・維持管理、地区内の道路の修理や除雪、地区内の水道の敷地を地域全体で協力して自力で行って来た。こうしたことを可能にした地区内の隣組の結びつきなどは、家族内での世代間の分業、親族間の協力とともに、生活を維持するために必須であった。住民の高齢化によりこうした伝統的なソーシャルサポートに若干の変化はみられるが、依然として隣組などのソーシャルサポートが十分に機能しており、それを維持しようとする住民の意識も強いことが明らかになった。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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