研究課題/領域番号 |
11672389
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研究機関 | 兵庫県立看護大学 |
研究代表者 |
山本 あい子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (80182608)
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研究分担者 |
田村 康子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (80326305)
鈴木 静 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (30305700)
工藤 美子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 講師 (40234455)
辻 久美子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (90336842)
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キーワード | 移行期 / 思春期 / 更年期 / 子育て期 / 女性の健康 / ヘルスプロモーション / 母娘 / 看護モデル |
研究概要 |
平成13年度は、更年期の母と思春期にあるその娘(高校生)各々2199人の母娘2199組、および子育て期の女性901人を対象に質問紙を用いて調査を実施し、思春期女性331人、更年期女性403人、子育て期女性437人から回答を得た。この中には、295組の思春期女性と更年期女性の母娘が含まれていた。研究変数としては、「健康状態」及び関連する要因として「健康関連行動」、「関係性」、「自覚的健康観」、「ストレス状況」を調査し、以下のようなヘルスプロモーションモデルが得られた。思春期女性の健康状態は、関係性(葛藤)、自覚的健康観、ストレス状況、健康関連行動により18.2%説明された。更年期女性の健康状態は、自覚的健康観、ストレス状況、関係性(葛藤)、関係性(サポート)により25.1%説明され、健康関連行動は健康状態を説明しなかった。子育て期女性の健康状態は、関係性(葛藤)、ストレス状況、健康関連行動、自覚的健康観、関係性(深さ)により27.8%説明された。思春期と子育て期では、関係性が健康状態を最も説明していた。本研究では、思春期では母との関係性、子育て期では夫との関係性を捉えている。思春期、子育て期の健康状態を改善するためには、関係性へのアプローチの検討も必要である。一方、更年期女性では自覚的健康観が健康状態を最も説明しており、自覚的健康観へのアプローチの検討が今後の課題である。以上のことから、移行期3時期ごとの健康状態や関連要因の特徴をふまえたヘルスプロモーションの介入が必要であることが示唆された。また更年期と思春期ではヘルスプロモーションモデルは異なるが、相互の関係性が健康状態に影響しており、母娘をペアで捉えてアプローチをしていくことの必要性が示唆された。さらに、3時期に共通して最も多い症状は「肩や首筋がよく凝る」であり、この症状へのアプローチが望まれる。本研究は、大学研究倫理委員会の承認を受け実施した。
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