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2000 年度 実績報告書

がん体験者のMasteryを基盤とした肯定的な適応を促進する看護援助方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11672391
研究機関高知女子大学

研究代表者

藤田 佐和  高知女子大学, 看護学部, 助教授 (80199322)

キーワードがん体験者 / Mastery / 日本語版MSI / 折り合いをつける力 / 適応
研究概要

平成12年度の報告:平成12年度は、以下の目標4.目標5について実施した。
目標4:翻訳日本語版Mastery of Stress lnstrument(MSI)の信頼性と妥当性を検証する。
対象者:A病院外来通院患者65名。
方法:データ収集の手順を踏んで、倫理的配慮を行って質問紙を配布し、郵送にて返送を依頼した。信頼性は、内的整合性であるCronbach's α係数と項目-尺度間相関。妥当性は仮説検定法。
結果:回収率81.5%(うち、有効回答69.2%)
Cronbach's α係数は、折り合いをつける力でα=0.94、確かさα=0.87、変更α=0.88、受け入れα=0.85、拡がりα=0.90、ストレスα=0.96であり、いずれも0.8以上の望ましい結果であった。項目-尺度間相関は、折り合いをつける力r=0.65-0.89確かさr=0.44-0.75、変更r=0.30-0.73、受け入れr=0.20-0.83、拡がりr=0.40-0.86、ストレスr=0.41-0.86の範囲であり、ほとんどが0.3以上の望ましい結果であった。したがって、翻訳日本語MSIは、信頼性があると判断できたので、この尺度を用いて次の段階に進んだ。
目標5:翻訳日本語版の尺度を含む質問紙を用いて退院後のがん体験者の実態調査を行う。
対象者:B病院外来通院患者150名
方法:目標4と同様
結果:回収率95.3%(うち有効回答81.3%)
折り合いをつける力の平均値は、受け入れ、確かさ、拡がり、変更の順になっていた。
がん体験者のストレスは退院後の期間に関わらず持続していた。また、ストレス状態が高いと病気体験を通して自己の期待や目標を現実的に統合して受け入れることが困難なことがことが明らかになった。しかし、がん体験者はストレスフルな体験をしながらも、自己や環境との関係を再調整して折り合いをつけていくことや退院後3年以上経過すると現状を肯定的に評価し、がんとう病気体験を通して自己の力を発揮して成長していくこと、5年以上経過すると人生により多くの意味を見出すことが示唆された。
平成13年度は、実態をさらに分析し、がん体験者のストレスとMasteryとの関連、長期的な適応に影響する要因を抽出すると共に、記述データを質的に分析し、がん看護専門家の助言を得て、肯定的な長期的な適応への具体的な援助方法を考案する予定である。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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