研究課題/領域番号 |
11672393
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
稲吉 光子 北里大学, 看護学部, 助教授 (60203212)
|
研究分担者 |
川口 優子 神戸大学, 医学部・保健学科, 助教授 (90152941)
遠藤 恵美子 北里大学, 看護学部, 教授 (50185154)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2002
|
キーワード | 治験コーディネータ / アクションリサーチ / 共同意思決定 / 自己擁護技能 / 自己内省 / 心理教育 / 大学院教育 / がん患者 |
研究概要 |
研究目的は臨床試験でのがん患者とリサーチナースの共同意思決定を促すためのアクションリサーチであった。第1に、基準研究(baseline study)として治験管理室の開設に伴い配属された、ただ1人のリサーチナースと研究者としての1人の大学教員が、定例会を持った。定例会では、臨床試験での人間関係と意思決定の困難さに関する体験が話し合われた。その内容はKJ法によって、「不安定な人間関係の中での臨床試験の基盤支持」、「不十分な感覚情報」、「コントロール感の低下」にまとめられた。研究者は、癌臨床試験への積極的な参加を促すために、危険の予測と回避に関する教育プログラムがリサーチナースと被験者に必要であるとの結論を得た。 第2に、臨床試験での教育プログラムに先立って、共同意思決定の概念枠組みと批判的内省による教授・学習法を用いた2つの実践的研究をおこなった。その1つはがん看護学を専攻する大学院修士課程での教育プログラムの実施であり、他の1つは、がん患者の自己擁護技能を高める心理教育プログラムの実施であった。批判的内省は、個人的な成長と社会的な発展の両方に焦点が当てられた弁証法的段階から成り立つので、教育プログラムは3つの段階から組み立てられた。対話はテープレコーダに録音され、逐語録が作成された。研究参加者は困難な体験を物語り、自己内省により自己擁護が促された。臨床試験の危険を予測し、回避を促すためには、このようながん患者の自己擁護技能のための心理教育プログラムが必要である。
|