研究課題/領域番号 |
11672394
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
羽山 由美子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (10124405)
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研究分担者 |
藤村 尚宏 財)精神医学研究所, 附属東京武蔵野病院, 副院長
水野 恵理子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (40327979)
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キーワード | 心理教育 / 症状管理 / 服薬教育 / 精神分裂病 / 病識 / 精神科急性期病棟 |
研究概要 |
平成12年度に引き続き、服薬心理教育のプログラム評価を実施した。集団心理教育4回のセッションの前と後で、服薬および治療への構え質問紙(12項目)、および病識尺度(8項目)を実施して、前・後および対照群との比較をした。基礎情報には、プログラム参加中のBPRS、CP換算服薬量、その他を査定している。 82名が対象で、66%は精神分裂病、介入群(n=59)は、対照群(n=23)に比して、また介入の前と後で、統計的に有意に両アウトカム指標のスコアが改善した。平成12年度の72名のデータとまったく等しい結果であった。対照群のデータが、介入前の1回のみという限界があるものの、以上の結果より、少なくともプログラム実施直後には、服薬意義、作用と副作用、継続して服用することの意義、自身の症状の受け止め方、必要に応じて医療者に援助を求めることなどの理解が高まることが推測された。 また、平成12年度に実施した72名のうち、電話連絡が可能であった者45名にフォローアップ電話面接を行い、希望者には復習グループ(1セッション)を実施した。 退院後の再入院については、不明の6名を除いた39名中、介入群(n=24)で「再入院なし」が18名、「あり」が6名、対照群(n=15)で「再入院なし」が8名、「あり」が7名であった。X2検定で両群に有意差は認められなかった。 プログラム実施直後の短期効果は認められるものの、数ヶ月から1年後の長期効果については、まだ不明な点が多い。長期予後の検討は今後もさらに必要である。
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