研究課題/領域番号 |
11672394
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
羽山 由美子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (10124405)
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研究分担者 |
藤村 尚宏 財)精神医学研究所, 附属東京武蔵野病院, 副院長
水野 恵理子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (40327979)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 心理教育 / 症状管理 / 服薬教育 / 精神分裂病 / 病識 / 精神科急性期病棟 |
研究概要 |
平成11年度では、すでに当該病棟で実施されていた4セッションからなる服薬心理教育の内容について、前年度実績からその特徴を整理した(年間入院者の約半数の181名が参加、内訳は分裂病53%、気分障害22%、その他25%で、初回入院者は41%、全体の51%が4回終了していた、等)。また、各セッションを参加観察するとともに、7月から毎月1回病棟ナースを対象とする学習会開催、病棟スタッフとの共同によるグループ運営の見直し、看護者用自己学習教材作成、介入評価のためのアウトカム指標の作成を行った。 平成12年度では、これまでは使用していなかった患者用教材、「服薬学習グループ」(A4版14ページ)を作成した。これは4セッションにわたって学習する内容をわかりやすくまとめ、前年の参加観察で明らかになった患者からのよくある質問に答えるQ&Aから構成されている。当該病棟の全入院患者がプログラムに参加するようになったため全員に配布された。12年度では、72名(7割が分裂病)を対象に、服薬および治療への構え質問紙(12項目)および病識尺度(8項目)をアウトカム指標として用い、基礎情報にはBPRS、CP換算服薬量、その他を査定した。その結果、介入群(n=41)では、対照群(n=31)に比して、介入の前後で統計的に有意に両アウトカム指標でスコアに改善が認められた。認知・思考障害があるにもかかわらず、プログラム実施直後には集団による心理教育の有効性が推測される結果を得た。 平成13年度では弓き続き、プログラム評価を継続した。82名を対象(66%が分裂病)として、12年度と同様に、介入群(n=59)では対照群(n=23)に比して、介入前後で統計的に有意に両アウトカム指標のスコアが改善した。また、前年に対象とした患者群でフォローアップへのアクセスが可能であったものを対象に電話面接を実施し、希望者には復習セッションを行った。連絡の取れた39名のうち、介入群(n=24)で再入院なしは18名、ありは6名、対照群(n=15)で再入院なしは8名、ありは7名であった。両群の有意差はなく、長期予後の検討はさらに今後も必要である。
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