研究課題/領域番号 |
11672396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
田中 美恵子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10171802)
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研究分担者 |
川添 由紀 東京女子医科大学, 看護学部, 助手 (00307654)
菅原 とよ子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (50289914)
若狭 紅子 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (10279705)
江波戸 和子 東京女子医科大学, 看護学部, 助手 (60318152)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 薬物依存 / 看護モデル / 精神科看護 / 看護ケア / 看護者の感情 |
研究概要 |
研究の第1段階として、文献の検討、薬物依存症専門病棟でのフィールド調査、薬物依存症患者の看護経験を有する5施設の看護者16名に面接調査を実施し、離脱期・渇望期・断薬継続期の3期における看護ケアの内容と、薬物依存症患者を看護するうえでの看護者の思いから構成される薬物依存症患者に対する看護ケアモデルの試案を作成した。 研究の第2段階として、第1段階で得られた結果をもとに、質問紙を開発し、全国17施設の薬物依存患者の看護にあたる看護者498名に対し質問紙を配布し、430名から回答を得た(回収率86.3%)。 統計的分析の結果、(1)薬物依存症患者に対する看護ケアの内容として、<個を尊重した関わり><トラブルへの対応><共感的関わり><一貫した関わり><リハビリテーション>の5因子が抽出された。(2)薬物依存症患者を看護する上で困ることとして、<患者の反社会的行動><薬物看護に特有な難しさ><患者の症状や背景・特徴><看護体制の問題>の4因子が抽出され、看護ケアと有意な相関がみられたものは、<患者の症状や背景・特徴>のみであった。(3)薬物依存症 患者の看護に携わる看護者の職業的やりがいとして、<看護者としての自己成長><患者と関わる喜び><看護者の個人生活に対する安心感>の3因子が抽出され、看護ケアと職業的やりがいとの間にかなり強い相関が見られた。(4)薬物依存症患者に対する看護婦・士の感情反応として、<怒り><自責の念><共感>の3因子が抽出され、看護ケアとく共感>との間に軽度の相関が見られた。 以上の結果を統合し、薬物依存症患者に対する看護ケアモデルを提示した。本研究の結果から、薬物依存症患者の看護の専門的技術の一端が明らかにされ、看護基礎教育ならびに継続教育における薬物依存症患者の看護に関する専門的教育の重要性が示唆された。
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