1. 1999年度は、助産婦が主体的に能力を発揮している英国の助産婦活動の実態を8月3日から8月10日にかけて視察研修を行った。研修の前半は、TauntonとCardiff市において、英国で遺伝看護に携わる助産婦の教育と活動方法の実際を病院や訪問看護を通して研修した。8月7日以降は、London市内と周辺地区のNHSの病院とバースセンター及び、私立の病院とバースセンターを視察し、英国の助産婦活動と継続教育の進め方、助産婦のケアの質の維持について質疑した。助産婦のケアの質の評価は当然のことながら顧客が行っている。従って、妊産婦が納得できるような助産婦の関わりと、医療介入を行わないで自然な経膣分娩を実施することがNHSの目標になっていた。助産婦が行う自然分娩は国としても経費節減にもなることから評価されていた。助産婦が妊婦の心身の健康状態を整え、且つ安全に自然分娩を行う援助は顧客とNHSの両者から高く評価されていた。今回の視察研修では助産婦教育や継続教育に関しての実態と、関連文献を収集することができた。 2. 今回の研究テーマに即して、妊娠・分娩・産褥各期とも助産婦が一貫してプライマリーケアを行う実験群と、妊婦健診は医師と助産婦、分娩期・産褥期は各勤務助産婦にケアを受ける対象群を設定して調査を行うことになった。妊婦健診時のプライマリー用の妊婦と助産婦の質問紙と対象群用の質問紙、分娩期・産褥早期の褥婦と助産婦の質問紙の検討を行った。1月に妊婦と助産婦用の質問紙のプリテストを行い修正後、妊娠期の調査を開始した。3月現在、分娩期・産褥早期の褥婦と助産婦の質問紙のプリテストを行っている。プリテスト結果、分娩期・産褥早期の調査も開始する予定である。
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