悪性疾患患児の親の状況危機と援助に関する研究 目的 日本とオーストラリアにおける医療事情・価値観の違いが、悪性疾患患児の親の闘病生活に発生する問題とサポート状況に関連するかを検討し、ニーズの普遍性を明らかにする。 方法 1.調査対象は悪性疾患患児の親、日本79名、オーストラリア25名である。 2.調査方法は闘病状況に関する質問紙を手渡すか、研究協力者から郵送依頼を承諾した人に郵送する。同意者のみ無記名で記述・返送されたものである。 結果と考察 1.闘病生活に伴う問題は、一番多いのは患児の問題、次に心身の強度疲労、留守家庭の患児の問題、医療関係者への不満・不信、夫婦間の感情的ずれ、学校問題、経済問題の順で、国による差は少なかった。 2.サポーターは、夫・妻、実父母、兄弟・親戚、義父母の順であった。国による違いは友人と専門職者の比率であった。情緒的サポートは一番多いが、家事・育児etcの物理的サポートニーズも多かった。 結論 悪性疾患患児の親は、普遍的な状況危機に陥り、問題の発生とサポートニーズは国情を越えて同じである。サポートシステム作りは重要である。
|