本研究は、文献(書籍、論文、その他の図書資料)、および文書記録類(公文書、ドキュメント、データ等)を資料として、それらを読み・分析することを通じて史実を再構成する、いわゆる文献実証の方法を採用している。 昨年度に引き続き、平成13年9月17日より28日まで、ロシア連邦モスクワ市を訪問し、ロシア科学アカデミー自然科学史・技術史研究所の密接な協力のもとに、「ロシア国立経済文書館」、および同別館に入館し、1940年代後半の航空機工業省、機械・計測制御機器製造関連の秘密文書類を閲覧し、それぞれ適宜複写してきた。また、現地の研究者との交流を通じて、わが国では入手しにくい書籍を手に入れることができた。 こうして収集した資料は、別途収集した資料とあわせ、旧ソ連邦における核開発への物理学者動員政策とその手段に関する考察、および、ジェット機開発の事情に関する論文(ともに裏面参照)をまとめるうえで、その基礎資料となった。また、これらのうちには、旧ソ連邦における初期の計算機、電子計算機開発に関連する膨大な資料も含まれており、現在それらの整理と読解をすすめている。
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