研究概要 |
計算科学的動作解析システムで主に用いる有限要素人体モデルは、イメージベースドモデラーによってデジタイズし、CADシステムにインポートした。CADシステムで形状や対称性をポリッシュアップした後、IGESファイル形式、及びPATRANデータベース形式で、データベース化した。現時点のデータベースには、男女のモデル各一体と、男子の各パーツモデルが記録されており、女子のパーツモデルも今後作成予定である。男子パーツモデルより、下腿のモデルを用いて、解析対象動作であるボールキックの際のインパクト解析核モデルを作成した。 解析の初期条件や境界条件を同定するために、3Dモーションキャプチャシステムにより、ボールキック時の動作解析を行い、運動学的、及び動力学的分析をおこなった。その結果、インステップキックとカーブキックにおけるアプローチアングルや足関節角度の違いについて明らかにした。また、スイング速度の動特性ついても検討した。そのデータを基に、インステップキックとカーブキックの有限要素インパクト解析の基礎的部分を行った。 計算科学的動作解析システムにおける流体との連成解析の一貫として、キック後のボール周りの流体解析モデルを作成し、定常解析によってマグナス力等を分析し、ボール速度25m/s,回転数50rad/sにおいて約3.05Nの揚力が発生することを示した。現在、メッシュのリファインをした後、より実際の現象に近いと考えられる非定常計算の解析を計画中であり、層流から乱流の転移や、再付着等を考慮した解析が期待される。
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