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1999 年度 実績報告書

ウオームアップ効果の生理的要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11680026
研究機関大阪大学

研究代表者

吉田 敬義  大阪大学, 健康体育部, 教授 (30097331)

研究分担者 福場 良之  広島女子大学, 生活科学部, 助教授 (00165309)
林 直亨  大阪大学, 健康体育部, 助手 (80273720)
キーワードウオームアップ効果 / 高強度ウオームアップ運動 / 酸素摂取量
研究概要

AT以上の高強度運動(supra-AT運動)を,間に安静もしくはベースライン運動をはさんで2回繰り返すと,1回目のものと比して,2回目の運動開始時に肺酸素摂取(VO2)の立ち上がりの促進がおこるという興味深い事実を,我々も含めたいくつかのグループが報告してきている。ウォームアップ効果の1つと考えられる,この高強度くりかえし運動時に見られるVO2応答の促進現象の成因を解明するために、本年度は,仮設される成因の中で,血中アシドーシスに伴う酸素解離曲線の右偏[実験1]と、体温や筋温の上昇に由来するQ10効果[実験2]、という2つの仮説をとりあげて検討した。
運動は脚の自転車エルゴメータ運動で,supra-AT強度の運動を,間に6分間のベースライン運動(20W)をはさんで2回繰り返すプロトコールを行い,2回目の運動開始時にVO2の促進がおこるという先行研究の結果を,まず確認した。
次に[実験1]として,乳酸性アシドーシスに起因する要因を検討するために,ウォームアップ運動を高強度の腕クランキング運動におきかえて行い,全身的な乳酸性アシドーシスをおこし、この後に課した脚サイクリング本運動のVO2応答を観察したが,有意な促進現象は認められなかった。さらに[実験2]として,超音波を用いた組織加温装置(ジアテルミー)により、主働筋である大腿部前面を加温し、その後に課した脚サイクリング本運動のVO2応答を観察したが,やはり有意な促進現象は認められなかった。
従って,一種のウオームアップ効果である,高強度運動に引き続く本運動開始時のVO2促進現象の成因として,筋内の化学反応系に対する筋温上昇によるQ10効果や,血液の酸姓化や温度上昇に伴う酸素解離曲線の右偏による骨格筋へのO2-unloadingの促進といった要因は,直接的には関与していないことが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hayashi N.and Yoshida T.: "Water immersion delays the oxygen uptake response to sitting arm cranking"Eur. J. Appl. Physiol.. 80・2. 132-138 (1999)

  • [文献書誌] Hayashi N.et al.: "Impeding O2 unloading in muscle delays oxygen uptake response to exercise onset in humans"Am. J. Physiol.. 277・5. 1274-1281 (1999)

  • [文献書誌] 新井野 哲 ほか.: "運動開始時の心拍数上昇に及ぼすセントラルコマンドの役割"第14回生理・生体工学シンポジウム論文集. 471-474 (1999)

  • [文献書誌] 高橋 綾 ほか.: "繰り返し高強度運動時の酸素摂取動態について"第14回呼吸研究会. 14. 36-41 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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