運動習慣のない中高年女性を対象とし、レジスタンストレーニング群(RT群)、有酸素性トレーニング群(AE群)および対照群(CNT群)の3群にグルーピングを行い、日常生活の中で容易に実施可能な範囲内での定期的なレジスタンストレーニングを積極的に取り入れた介入指導の効果について、有酸素性運動を取り入れた介入指導の効果と比較検討した。 RT群およびAE群に対して5ヵ月間にわたって、運動指導を介入的に実施し、介入期間前後にQOL評価のためのアンケート調査と形態、腰椎骨密度、筋力、敏捷性、平衡性、柔軟性、有酸素性能力に関する測定を行った。 介入指導期間前後で、体重はAE群においてのみ有意に低下し、RT群では主観的健康度、毎日の気分、人間関係および生活満足度で有意な改善が見られた。AE群は主観的健康度が有意に向上し、CNT群においてはいずれの項目でも有意な変化はみられなかった。また、RT群では膝伸展筋力、膝屈曲筋力、足底屈筋力、ステッピングにそれぞれ有意な改善が認められた。AE群の握力、膝屈曲筋力、足底屈筋力および長座体前屈に有意な改善が見られた。CNT群においては、いずれの項目においても有意な変化は認められなかった。同様に酸素摂取量は、3群とも介入前後で違いはなかった 介入指導前に行った調査・測定から、転倒経験者群および非転倒経験者群のBMD、抑うつ度、毎日の気分、人間関係、生活満足度および主観的幸福度は、同様の値を示したが、主観的健康度は転倒経験者群で54.0であったのに対して、非転倒経験者では71.6であり、後者の方が有意に高い値を示した。筋力、敏捷性、平衡性、柔軟性および有酸素性作業能力のいずれにおいても両群間で有意な差は認められなかった。
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