本研究ではオリーブ油を脂肪源とした高脂肪食に種類の異なる蛋白質を組み合わせ、摂食させた場合の運動時における糖質及び脂質代謝に及ぼす影響について動物を対象として運動時の組織グリコーゲンや脂質代謝関連酵素の動態、その他から検討を行い、以下の結果を得た。 1)飼育期間中の体重の増加は小麦グルテン群(OG群と略)に比べてフィッシュ蛋白質群(OF群と略)、フイッシュ蛋白質とカゼイン蛋白質を同等量配合した群(OCF群と略)およびフィッシュ蛋白質と大豆タンパク質を同等量配合した群(OSF群と略)が大きい様子にあった。 2)血清グルコース値は運動負荷によりカゼイン群(OC群と略)、OG群では有意な減少を示したが他の群では運動による顕著な減少は認められなかった。 3)血清遊離脂肪酸レベルはOG群を除く全ての群で運動負荷により顕著な増加を認め、特にOC群と大豆タンパク質群(OS群と略)の増加の程度は大きかった。 4)筋肉グルコーゲン量はOG群とOF群は運動負荷により有意に減少したのに対し、その他の群では運動による著明な減少は認められなかった。 5)肝臓グリコーゲン量は運動負荷によりOS群を除く全ての群で減少を認め、特にOC群、OG群は減少の程度が顕著であった。 6)肝臓トリアシルグリセロール画分の脂肪酸組成は運動負荷によりOG群以外のいずれの群でもC18:1が減少したのに対し、OG群ではやや増加する傾向が認められた。 7)筋肉のβーヒドロキシアシルCoA-デヒドロゲナーゼ(HADと略)活性は運動負荷によりOC群、OS群、OF群およびOCF群で増加する傾向にあり、OSF群は有意な増加を示した。しかしながらOG群では著明な変動は認められなかった。 8)肝臓のHAD活性値 肝臓のHAD活性の変動は運動負荷によりすべての群で活性値が上昇し、特にOS群はその増加が有意であった。
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