本研究は、3歳から6歳までの同一幼児を追跡測定する縦断的研究であるが、本年度は2年目であるため、3歳から6歳までの横断的なデータを用いて以下の分析を行った。 被験者:3歳から6歳までの幼児469名(男児218名、女児251名)を対象として、人体測定(12項目)、皮下脂肪厚測定(14部位)、身体組成測定(インピーダンス法、総体脂肪量、皮下脂肪量、体内深部脂肪量、除脂肪量)を実施した。幼児肥満と小児肥満及び成人肥満の身体組成を比較するため、小児164名(男子65名、女子99名)と成人384名(男性185名、女性199名)をコントロール群とした。 分析1.幼児期肥満の判別と身体組成の特徴 結果:日本人幼児の性別・年齢別平均体重の+10%と+20%に該当するBMI値を求め、各身長別にそれぞれのBMI値に該当する体重を求め、肥満判別ノモグラムを作成した。このノモグラムより判別された肥満者の身体組成を分析した結果、肥満度の上昇と伴に皮下脂肪量が有意に増大するすることが明らかとなり、幼児肥満は皮下脂肪型肥満であるという結果が得られた。 分析2.幼児肥満と小児肥満及び成人肥満の身体組成の比較 結果:小児肥満も幼児肥満同様の統計処理から肥満判別ノモグラムを作成し、成人肥満はBMI26.4以上として判別し、比較した。男性成人肥満者に該当する男子幼児肥満者のBMIは18.4、%Fatは23.6であり、男子小児肥満者ではそれぞれ19.7と25.3%であった。女性成人肥満者に該当する女子幼児肥満者の%Fatは27〜30%の範囲にあった。 分析3.幼児期肥満における体脂肪の経年変化 結果:男女幼児肥満者とも総体脂肪量、皮下脂肪量、体内深部脂肪量は有意な経年変化を示し、特に6歳以降の増加が顕著であった。
|