研究概要 |
筋線維長が骨格筋の高い収縮速度やその状態での張力発揮能力を決定する重要な要因のひとつであり、スプリント能力の優れた選手ではこの筋線維長が長距離選手や同年令の一般成人よりも明らかに大きな値を示すことを確認した(平成11年度の成果)。そこで本年度は、このスポーツ選手にみられる筋線維長の固体差がどのような要因によって決定されているかを検討するため、一卵性双生児を対象に筋形状の特徴について検討した。その結果、筋形状は基本的には遺伝的な要因によって決定されていることが示された。しかし、一部の筋では一卵性双生児間で筋線維長の大きなばらつきが認められ、レジスタンス・トレーニングのような環境要因によっても筋線維長は変化する可能性が示唆された(Med Sci Sports Exerc,2000)。筋肥大が大きい相撲選手の筋線維長を観察すると、筋肥大の程度によって筋線維走行角の増加がみられる場合と、筋線維長の増加がすでに認められる場合があり、これらの結果から筋肥大にともなう筋形状の適応モデルを提案した(Eur J Appl Physiol,2000)。
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