研究概要 |
平成11年12月から13年1月にかけて当初計画よりも多い11校525名から日常生活経験を収集した。基準に満たなかった87名のデータを除外し、残りの438名(男子45%女子55%)の12,512を分析した。 ゆとり感の日内・週間変動 土、日曜の週末と、平日とではゆとり感の変動パターンが異なった。休日は一日の変化の範囲が平日よりも小さかった。平日は、朝、ゆとり感の低い状態からはじまり、昼食時に最も高くなった。放課後には下がるが、また高まりだし、その傾向は就寝前まで続いた。日曜日は、一日の変化の範囲が平日よりも小さい。また、朝からゆとりを感じており、夜に高くなった。 活動とゆとり感 ゆとり感を感じた活動は、読書、テレビやラジオの視聴、ゲームをしている時や外出時などの「レジャー活動時」と、うたた寝や食事など「生活維持活動時」であった。 場所とゆとり感 ゆとりを感じた代表的な場所は、浴室と居間、友人宅、そして図書室であった。カラオケボックス・ゲームセンター・遊園地、文化施設、野外活動施設などもゆとりを感じやすい。逆にゆとり感を感じにくい場所は、塾・予備校であった。 同伴者とゆとり感 最もゆとりを感じるのは、家族といる時であった。次いで一人でいる時、友人といる時と続き、教師といる時が最も低かった。 ゆとり感の高い時と低い時の気分の違い ゆとり感が高い時は、ポジティブな「安定」「自由」「リラックス」「やすらぎ」などの気分が強く、逆に低い時は、「たいくつ」「いやな」「いそがしい」などのネガティブな気分であった。 ゆとり感 ゆとり感の強さに応じて、活動に対する考え方が方向性を持って変化している。ゆとり感が強いほど、「自分で選んだ」、「活動そのものがやりたかった」、「もっと続けたい」、「真剣だ」、「簡単だ」と考える傾向が有意に認められた。それは、欧米人の「レジャー」に対する考え方と酷似している。
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