研究課題/領域番号 |
11680056
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
水落 文夫 日本大学, 歯学部, 講師 (30157482)
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研究分担者 |
鈴木 典 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (10162968)
酒井 秀嗣 日本大学, 歯学部, 講師 (20153851)
川島 淳一 日本大学, 歯学部, 助教授 (40060032)
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キーワード | スポーツ選手 / 競技ストレス / 不安 / ストレスホルモン / 唾液 / 指尖脈波 |
研究概要 |
スポーツ活動に係わる心理的ストレスの特性を分析するため、初年度は選手のパフォーマンスに影響する一過性のストレス反応に注目し、スポーツ活動の場に対応する測定方法の選定とその改良を試みた。特に心理的ストレスが強いといわれる試合前を想定すると、フィールドで簡便に測定でき、測定による心理的負担を最小限に抑える方法が求められた。そこで、生理的指標として指尖脈波、生化学的指標として唾液中のコルチコステロンなどのいわゆるストレスホルモンを採用し、これらにより選手のストレス反応を評価するシステムを構築した。 選手を対象とした測定に先立ち、各指標の信頼性と妥当性を検討するために統制されたストレス課題を与えた基礎実験を行った。すなわち、一般学生に心理的ストレス課題(暗算あるいはストレス映像)を与え、その前後において心理テスト、指尖脈波、心拍反応、コルチコステロン他各種ホルモン濃度(静脈血中および唾液中)を測定した。その結果、多少の遅れ時間は推測されるものの、血中と唾液中のホルモン動態はよく相関することが確認された。また、ホルモン濃度と指尖脈波に認められる交感神経系の興奮レベルおよび心理テストから推測される状態不安スコアとの間に関係が認められた。個人差はあるものの、その特徴を把握すれば、唾液中のストレスホルモンがその時の心理状態を推測する指標に、指尖脈波は心理状態の変化を確認しその場でフィードバックする指標になりえると思われた。 基礎実験の結果を受け、次に実際のスポーツ選手に対し2段階の実験(上記ストレス課題および競技ストレス場面)を設定し、主に指尖脈波と唾液中コルチコステロンによりストレス反応を推測することとした。現在、複数のスポーツ種目の選手を対象に、これらの測定およびデータ処理を進めているところである。
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