研究課題/領域番号 |
11680065
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研究機関 | 大阪体育大学 |
研究代表者 |
原田 宗彦 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (70189710)
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研究分担者 |
長積 仁 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (80274190)
藤本 淳也 大阪体育大学, 体育学部, 講師 (40257895)
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キーワード | スポーツ振興 / まちづくり / スポーツ政策 / NPO法人 / 事業形態 |
研究概要 |
本研究は、スポーツ振興事業に取り組むユニークなケースに取り上げ、継続的かつ縦断的な調査をベースにこれまで明らかにされなかったスポーツ振興とまちづくりの有機的な関係を探ることを目的としている。また地域社会と地域住民を巻き込み、変革させる社会的機能のプロセスと構造についても探求する。具体的には、行政機関、民間企業、そしてNPO法人を含めた住民組織の三者のそれぞれの領域におけるスポーツ振興とまちづくりに対するアクション、個々の領域同士のかかわりについて、組織レベルで生じる経営現象を質的・量的なデータを収集し分析を行った。本年度は、特に様々な形態を持つスポーツ組織とそれを制度化・統制・支援するスポーツ行政に焦点をあて、ケーススタディを進めた。スポーツ組織に関しては、企業スポーツというカテゴリーから逸脱し、市民クラブをめざす日光アイスバックスとプロ野球ファームチームの独立採算性に取り組むサーパス神戸と湘南シーレックス、そしてスポーツNPO法人を取り上げ、地域社会との接点を組織運営とコミュニティビジネスという視点から探った。いずれの組織もビジネスを進める上で地域に向き合っているものの、株式会社とNPO法人とでは、営利組織と非営利組織という組織形態の違いにより、当然、事業委託などの財政面をはじめ行政との関係構築に差異が見られた。またスポーツ振興やまちづくりに関わる組織を統治している行政組織については、国が策定した政策が地方自治体へとトリクルダウンするという仕組みの中で、地域の実情が各自治体の政策に反映されておらず、逆に地方分権が諸刃の剣のようになっている。基盤整備を進めるべき行政とアイディアを事業に活かす民間組織とが有効な組み合わせ効果を生み出す役割と機能について検討する必要があるだろう。
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