研究概要 |
1.国絵図の資料収集と写真撮影 今年度は,京都市ならびに臼杵市で国絵図の閲覧と研究打ち合わせを行った後,米沢市立米沢図書館・致道博物館(鶴岡市)・秋田県文書館・弘前市立図書館・青森市立郷土館・盛岡市中央公民館・宮城県図書館で国絵図の現存点数を確認し,小型の国絵図の写真撮影を行った。また,米沢市米沢立図書館・致道博物館・盛岡市中央公民館所蔵の大型の国絵図は,研究補助者の力を借りて鉄パイプで櫓を組み,プロカメラマンによる撮影を実施した。 弘前市立図書館と宮城県図書館所蔵の国絵図もプロカメラマンによる撮影を行う必要があったが,撮影経費の不足と撮影場所の確保などの問題が生じたため,本格的な写真撮影は次年度の検討課題とした。 2.国絵図を史料とした環境・景観の復原作業 出羽国絵図と陸奥国絵図の現存リストを作成し,環境・景観の復原作業に適する国絵図の選定を行いつつ,空中写真を参考にし,国絵図の写真版より旧5万分の1地形図の上に,まず正保期の集落・道・河川の復原作業を進めている。元禄期も実施する予定ではあるが,東北地方一円にわたるため作業量が多く,時間と経費が不足しているのが実態である。
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