インド全般の家畜飼育関連の統計類と農村女性関連の文献との収集、NDDB(National Dairy Development Board)の作成する資料「Quarterly Progress Report on Operarion Flood]により各々集乳 地域(Milkshed)単位毎に女性組合員の数を明らかにした。要約すると、全国平均では酪農組合員の17.4%を女性組合員が占めるまでになっている。ちなみに、1987年(7-9月)当時、女性酪農組合員は全組合員の11.6%であった。この約8年間に実数で62.3万人から2.5倍の156.1万人に増加した。この増加は、酪農地域による格差が大きく、とりわけ、1991年3月から3-4州で開始された中央政府によるSTEPや各州でのNGO活動による女性酪農協同組合(all-women dairy cooperatives)の設立・活動によるものであり、それはとりわけウッタル・プラデシュやラージャスターン、グジャラート州などでの酪農地域に於ける女性酪農組合員の増加をもたらした。これら女性酪農協同組合は、全国的には推定4-5000組合程度であろうが、箇々の組合活動の実態は必ずしも明らかにはされていないが、文献やヒアリングによると一般の酪農組合に較べ高い評価を得ている。この点こそが、テーマとした問題の核心であり、文献や既存の調査資料及びこの度収集した広島大学総合地誌資料センター所蔵「インド農村調査データ」による分析で明らかにしたい。この問題は、次年度の研究計画に持ち込むこととなった。ただし、山羊飼育に関しては、収集したバングラデシュの資料など利用して研究の目的を果たしたい。
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