1.現地調査と意識調査 本年度は、当初の計画通り先進産地(備後表、7月30日〜8月30日)・岡山(備中表、10月2日〜4日)における流通資本の動向調査と資料収集を行った。とくに、広島産地においては「広島県藺製品商業協同組合」組合員の協力を得て、「備後表」産地からみた熊本産地の課題やセーフガードの暫定的発動以後のい業国際化の動向、熊本産地への進出状況等について、アンケート形式で意見・回答を求めた。岡山産地では、い業振興協会での聞き取り調査、県立図書館等での資料調査を実施した。また、熊本産地では、地場産地問屋の協力を得て、い業国際化や熊本産地のあり方について、生産者を対象に意識調査を実施した。これらの結果、以下の成果が得られた。 (1)広島産地の流通資本が、熊本産地に進出した時期がアンケート調査でほぼ明らかになった。 (2)広島の産地問屋が中国産畳表を広く扱い、備後表産地の流通拠点化が進行している実態が明らかになった。 (3)岡山産地の形成過程と地域分化、産地衰退の要因を各種文献・統計資料等から把握できた。 (4)熊本産地の生産者に対する意識調査から、産地の構造的課題が明らかになった。また、産地振興策の方向も打ち出せた。 2.研究成果報告書の作成 研究成果報告書の作成段階で補足調査の必要が生じ、1月以降に広島・岡山産地について、再度、聞き取り調査と資料収集を実施した。上記の成果を取り入れ、報告書の作成を終えた。
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