本研究では、横浜港北ニュータウンに住む142世帯を対象にして、休日(2000年1月23日)と平日(同1月24日)の生活時間ならびに生活空間のアンケート調査を通し、東京の西部「第四の山の手」に住む専業主婦(89名)と就業主婦(53名)のライフ・スタイルの違いを明らかにしようとした。対称世帯の世帯属性は次のとおりである。夫婦とも高学歴で、子供1〜2人の核家族世帯であり、横浜、川崎、東京23区から5年以内に移り住んだ世帯が多い。夫の勤務先も東京23区、横浜、川崎が殆どである。仕事と通勤に一日の時間の3分の1がとられる就業主婦は、専業主婦に比べ、その分だけ家事、子育てにさく時間は少なくなっている。多磨ニュータウンでの調査(杉浦、宮澤、2001)との一つの大きな違いは、就業主婦、専業主婦いずれも睡眠時間は港北ニュータウンの方が、20分ほど長くなっていることである。これは、夫の通勤時間が多磨ニュータウンの場合よりも短いために、その分、妻の起床時間も遅くて済むことによっていると思われる。60%の就業主婦は地元も都築・青葉区で働き、主にパートタイマーとして、事務職と営業・販売サービス職に従事している。現在の就業の有無にかかわらず、1名を除き、全員の主婦が過去に就業経験(殆どが常勤の事務職)があり、70%の主婦は結婚・出産を契機に退職している。現在まで継続勤務している就業主婦は10%にもみたない。それは、結婚・出産を契機に(一時)退職を望む夫の意向に従うものと考えられるが、85%の専業主婦は将来就業することを希望している。
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