研究概要 |
本研究は,世界各地のチャイナタウンの地域的性格を解明し,それらの要因について考察し,世界のチャイナタウンの類型化を試みることを目的としている。 本年度は,研究の2年度目にあたり,前年度に引き続き,国内および海外各地のチャイナタウン,華人社会,エスニック問題に関する文献資料の収集に重点を置いて研究を進めた。これらのデータの整理は,昨年度の研究費で購入したパソコンでおこなった。 一昨年度以来の研究資料の収集および分析を通して,近年,従来のチャイナタウンとは別に,新しいタイプのチャイナタウンが各地で形成されている現象が,グローバルスケールで認められることが明らかになった。 これらの点は,本年度の科研費によって実施したラオスでのフィールドワークにおいても,中国大陸出身の華人の新たな流入により,新しいチャイナタウンが形成されつつあることが明らかになった。 本年度の大きな成果として,本研究の中間的な報告の意味を込めて,山下清海著『チャイナタウン-世界に広がる華人ネットワーク-』丸善,2000年を出版した。本書は,幸い多くの新聞・雑誌等で書評・紹介され,社会的にもチャイナタウンに対する関心を深めたのではないかと思われる。 今後は,世界各地のチャイナタウンの地域性,普遍的性格をさらに整理・分析し,世界のチャイナタウンの類型化を試みていく予定である。
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